家庭菜園で野菜を育てていると「米ぬかを土に混ぜてしまったらどうなるの?」と不安になることがあります。
入れすぎてウジ虫が湧いたり、変な臭いがしたり、植物がぐったりしてしまうことも少なくありません。
実は、米ぬかは土壌改良や畑に入れる効果が大きい一方で、使う量や時期を間違えると逆効果になる資材なのです。
でも安心してください。
この記事では、米ぬかをそのまま肥料にしたときのトラブルと応急処置、正しい使い方をわかりやすく解説します。
読めば「家庭菜園で米ぬかを安全に使いこなす方法」がわかり、ふかふかの土で元気な野菜を育てられる未来が手に入ります。
続きを読んで、土と植物を救うヒントを見つけてください。

- 米ぬかを土に混ぜてしまった時の主なトラブル原因
- 虫や臭いが出た時の応急処置と改善方法
- 米ぬかを安全に使うための量と時期の目安
- 家庭菜園や畑での正しい米ぬか活用法
米ぬかを土に混ぜてしまった時の緊急対処法
家庭菜園やガーデニングで土づくりに挑戦!
と意気込んで米ぬかを混ぜてみたら、なんだか様子がおかしい…。
植物がぐったりしたり、変な臭いがしたり、小さな虫が湧いてしまったり。
そんな経験、ありませんか?
でも、大丈夫。
それはよくある失敗の一つで、決して取り返しがつかないわけではありません。
むしろ、この経験こそが「土づくりの達人」への第一歩になるはずですよ。
ここでは、米ぬかを土に混ぜてしまった時に起こる問題と、その緊急対処法を分かりやすく解説します。
- 急激な分解による発酵熱とガス発生
- 微生物による土の中の窒素の独り占め(窒素飢餓)
- 嫌な臭いやカビ、ウジ虫などの害虫の発生
このあと、それぞれのトラブルの原因と、今すぐできる具体的な対処法を詳しく見ていきましょう。
米ぬかを土に混ぜるとどうなる?
良かれと思って土に混ぜた米ぬかが、なぜトラブルを引き起こしてしまうのでしょうか。
その秘密は、土の中に住む目に見えない小さな生き物、「微生物」たちの働きに隠されています。
米ぬかは微生物にとって、まさに最高級のごちそう。
生の米ぬかを土に入れると、まるでパーティー会場のように微生物たちが集まり、大喜びで活動を始めます。
この「微生物の大宴会」が、土の中で様々な問題を引き起こすのです。
まず、微生物が急増すると、彼らが呼吸するために必要な土の中の酸素があっという間になくなってしまいます。
酸素が足りなくなると植物の根は呼吸困難になり、最悪の場合「根腐れ」を起こすことも。
さらに、分解の過程で発生する「発酵熱」で土の温度が上がりすぎ、植物の根を傷つけてしまうのです。
そして、微生物たちも体を作るためには窒素が必要。
米ぬかのごちそうに夢中になった微生物たちは、植物が吸収するよりも早く土の中の窒素を横取りしてしまいます。
これが「窒素飢餓」と呼ばれる状態で、植物は栄養不足で葉が黄色くなるなどのサインを見せ始めます。
加えて、分解が進むとアンモニアガスなどが発生し、植物の根を傷つけたり、独特の臭いでコバエやウジ虫などの害虫を呼び寄せてしまったり…。
米ぬか自体は素晴らしい資材ですが、使い方を間違えると、土の中のバランスを大きく崩してしまう可能性があるのですね。
まずは応急処置!今すぐできること


「米ぬかを入れすぎちゃったかも…」
そう感じても、慌てないでください。
適切な応急処置をすれば、被害を最小限に食い止めることができますよ。
最初にやるべきことは、とにかく米ぬかと土を徹底的に混ぜ合わせ、空気を送り込むこと。
クワやスコップで何度も土を耕し、攪拌(かくはん)してください。
土の中に空気が行き渡ることで、嫌な臭いや腐敗を防ぎ、害虫が寄り付くのを抑えることができます。
特に、湿った米ぬかが塊(ダマ)になっている状態は避けたいところ。
ダマの内部は空気が届かず腐敗が進みやすいため、晴れた日を選んで念入りに耕し、塊を細かく崩しながら均一に混ぜ込むのが肝心です。
もし、明らかに米ぬかを入れすぎたと感じるなら、新しい培養土や腐葉土などを追加して、土全体の量を増やし米ぬかの濃度を薄めるのも有効な手段。
プランター栽培なら、思い切って土を入れ替える方が早い場合もあります。
取り除いた土は、後で紹介する「ぼかし肥料」として発酵させれば、安全に再利用できますから安心してくださいね。
また、土の湿り具合も重要なポイント。
土が濡れすぎていると腐敗が進みやすくなるので、水はけを良くする工夫をしましょう。
逆にカラカラに乾きすぎても微生物の働きが鈍ってしまうので、手で握ると固まるけれど水は滴らない、というくらいの適度な湿り気を保つことを心がけてみてください。



植物が枯れる前にできること


すでに植物が植わっている土に米ぬかを混ぜてしまい、なんだか元気がない…。
そんな時は、一刻も早く手当てをしてあげましょう。
発酵熱やガスは、植物の根に深刻なダメージを与えかねません。
まずは、植物の葉の色をじっくり観察してみてください。
土の中で「窒素飢餓」が起きている場合、栄養不足で葉が黄色くなるなどのサインが見られることがあります。
もしそのような兆候が見えたら、速効性のある液体肥料などを少量与えて、緊急の栄養補給をしてあげましょう。
これは、米ぬかが分解されて栄養になるまでの「つなぎ」として、植物を飢えさせないための応急処置のようなものです。
次に、根腐れを防ぐために、土の通気性を改善してあげましょう。
植物の株元を避け、根を傷つけないように注意しながら、株の周りの土に竹串や細い棒でいくつか穴を開けてみてください。
この「穴あけ換気」で、土の中にこもったガスや熱が抜けやすくなり、根へのダメージを和らげる助けになります。
水やりにも、いつも以上に気を配りたいところ。
土がジメジメしていると、酸素不足がさらに進んでしまうため、過度な水やりは禁物です。
土の表面が乾いたのを確認してから、適量の水を与えるようにしてください。
もし小さな苗であれば、一時的に新しい土を入れた鉢に救出し、元の土が落ち着くのを待ってから植え直すのが最も安全な方法です。
大きく育った植物では難しいですが、その場合は栄養補給と土壌換気を粘り強く続けてみてください。
早めに対処すれば、きっと植物も元気を取り戻してくれるはずですよ。
ウジ虫やコバエが発生した時の駆除法
米ぬかを混ぜた土から、ウジ虫やコバエが湧いてしまったら…
ぎょっとしますよね。
でも、これも土の中の環境を変えてあげることで解決できます。
そもそも、なぜ虫が湧くのでしょうか。
ハエやコバエは、湿気があって栄養豊富な、発酵中の有機物の匂いが大好き。
彼らにとって、そこは幼虫(ウジ虫)が育つのに最適なレストランなのです。
根本的な解決策は、殺虫剤に頼るのではなく、虫が住みにくい環境に変えてしまうこと。
まずは土を頻繁にかき混ぜて、たっぷりと空気を送り込み、土を乾燥気味に管理しましょう。
土の温度が50℃以上に上がれば、多くのウジ虫や卵は死滅すると言われています。
これは、土づくりを進めながら害虫も駆除できる、一石二鳥の方法ですね。
もし、今いる虫をすぐになんとかしたい場合は、ウジ虫ごと土をすくい取ってビニール袋で密閉して処分するか、太陽に当てて乾燥させるのも有効です。
少量であれば、深く土にすき込んでしまえば、やがて微生物が分解してくれます。
コバエ対策としては、発生源となる未分解の有機物を土の表面に出さないことが大切。
それでも気になる場合は、市販のコバエ捕獲シートを設置したり、木酢液や竹酢液の希釈液を土に散布したりするのも良いでしょう。
ただし、これらは対症療法なので、やはり発生源の除去と環境整備(適度な乾燥と攪拌)で、再発を防ぐのが一番の近道です。



嫌な臭いやカビを抑える簡単な方法


米ぬかを混ぜた後、ツンとした酸っぱい臭いや、ドブのような嫌な臭いがしてきたら、それは土が「酸欠状態」に陥っているサイン。
土の表面にフワフワしたカビが生えてくることもありますが、簡単な方法で改善できます。
嫌な臭いの主な原因は、ずばり「酸素不足」。
酸素が足りないと、腐敗菌が優勢になり、悪臭が発生してしまうのです。
この臭いを解決する鍵は、土に「酸素」を供給してあげること。
最も簡単で効果的なのは、やはり土を掘り返して、よく混ぜることです。
これにより、土の中にこもっていたガスが抜け、新鮮な空気が入り込み、良い香りの発酵(好気性発酵)へと切り替わっていきます。
土の表面に生える白いカビは、多くの場合、有機物の分解を助けてくれる良い菌(糸状菌)なので、あまり心配はいりません。
発酵が順調に進んでいる証拠と捉え、カビごと土に混ぜ込んでしまいましょう。
ただし、青カビや黒カビが広範囲に発生し、腐敗臭を伴う場合は、水分が多すぎるサイン。
この場合も、悪臭対策と同じで、土をよく掘り返して空気を入れ、湿度を調整してあげてください。
発酵を助ける資材を使うのも効果的です。
市販の「EM菌」などの有用微生物資材や、納豆を水に溶いたものなどを散布すると、善玉菌が優勢になり、嫌な臭いを抑えてくれる効果が期待できますよ。
混ぜてしまった米ぬかの量はそのままで平気?
「うっかり大量の米ぬかを入れてしまったけど、このままで大丈夫?」
と不安になりますよね。
結論から言うと、適量の範囲であれば、これまでの応急処置で問題なく利用できます。
しかし、明らかに多すぎる場合は、一部を取り除くなどの対策をした方が無難です。
では、「適量」とはどのくらいでしょうか。
一般的に、1平方メートルあたり100g~300g(コップ1~2杯程度)が目安とされています。
もし混ぜてしまった量がこの範囲内であれば、特に心配はいりません。
応急処置をしっかり行い、2週間~1ヶ月ほど土を寝かせれば、土壌は安定し、良い肥料効果も期待できます。
一方、1平方メートルに1kgも入れてしまった、というような場合は注意が必要。
量が多ければ多いほど、発酵熱や窒素飢餓といったトラブルのリスクが高まります。
その場合は、米ぬか混じりの土の一部を取り除いて減量するか、他の広い場所に薄く分散させることをおすすめします。
「でも、せっかくの米ぬかを捨てるのはもったいない…」
と感じるかもしれませんね。
そんな時は、作付けの時期を遅らせる、という選択肢もあります。
米ぬかを混ぜ込んだ状態で1~2ヶ月、あるいはそれ以上じっくりと寝かせておけば、大量の米ぬかもかなり分解が進むでしょう。
時間はかかりますが、土の中で完熟堆肥化させるイメージです。
この経験を「最高のふかふか土」を作るための貴重な学びとして活かせば、きっと未来の家庭菜園はもっと豊かなものになるはずですよ。



失敗しない米ぬかの正しい使い方と土壌改良術
うっかり米ぬかを混ぜすぎてしまっても、適切な対処で土は再生できること、お分かりいただけたでしょうか。
ここからは、米ぬかの力を最大限に引き出し、安全に活用するための「正しい使い方」を見ていきましょう。
これをマスターすれば、あなたも「土づくりの達人」です。
ここでは、米ぬかを失敗なく使うためのポイントを解説します。
- 生の米ぬかは「肥料」ではなく「土のごはん」と心得る
- 使うなら植え付けの1ヶ月以上前に土とよく混ぜておく
- 最も安全なのは、あらかじめ発酵させた「ぼかし肥料」にしてから使うこと
これらのポイントを押さえれば、米ぬかはあなたの家庭菜園の頼もしい味方になってくれますよ。
米ぬかを肥料としてそのまま使うのは注意が必要
多くの人がやってしまいがちなのが、生の米ぬかを化成肥料などと同じ「肥料」の感覚で、植物に直接与えてしまうことです。
考えてみてください。
化成肥料や発酵済みの有機肥料が、すぐに食べられる「調理済みの料理」だとすれば、生の米ぬかは「生の食材」です。
生の米ぬかは、まず土の中の微生物たちが食べる「土へのごはん」であり、植物が直接食べられるわけではありません。
微生物というシェフが時間をかけて調理(分解)して初めて、植物が利用できる栄養になるのです。
お腹を空かせた植物の根元に生の米ぬかをまくのは、お腹が空いた人に生のお米を渡すようなもの。
かえってお腹を壊してしまいます(根が傷みます)。
生の米ぬかをそのまま使う場合は、「とにかく時間を置く」という鉄の掟を守ってください。
土に混ぜ込んだら、暖かい時期で最低2~4週間、寒い時期なら1ヶ月以上は何も植えずに土を寝かせましょう。
この「熟成期間」で、微生物の激しい活動を植物を植える前に終わらせておくのです。
ただ、この方法でも天候によっては分解がうまくいかないリスクが残ります。
そのため、最も安全で確実な方法は、後ほど紹介する「ぼかし肥料」のように、土に混ぜる前にあらかじめ米ぬかを発酵させておくことなのです。
家庭菜園での米ぬかの使い方と効果
米ぬかは、正しく使えば家庭菜園のあらゆる場面で活躍してくれる「魔法の粉」。
その多彩な効果を知れば、あなたもきっと米ぬかの虜になるはずです。
米ぬかの最大の効果は、土の中の善玉菌(有用微生物)を爆発的に増やしてくれること。
多様な微生物が暮らす豊かな土は、病原菌の繁殖を抑え、植物が病気にかかりにくい、たくましい土壌を作ってくれます。
次に、米ぬかは土をふかふかにする「物理性の改善」にも大きく貢献します。
微生物の働きで、土の粒子が小さな団子状に結びつく「団粒構造」が発達。
水はけと水もちが良い、植物の根がのびのびと育つ理想の土へと生まれ変わるのです。
また、米ぬかは堆肥作りの「発酵促進剤」としても大活躍。
落ち葉や生ゴミなどで堆肥を作るときに米ぬかを振りかけると、発酵スピードが格段にアップします。
もちろん、豊富な栄養素も見逃せません。
窒素・リン酸・カリウムの三大栄養素に加え、ビタミンやミネラルも豊富。
特に花や実のつきを良くする「リン酸」が多く含まれているため、育てた野菜が甘くなったという声も聞かれます。
意外な使い方としては、害虫をおびき寄せる「おとり」のエサにしたり、雑草の発生を抑制したりする効果も期待できるんですよ。
米ぬかは、土の物理性・生物性・化学性のすべてを向上させる、総合的な土壌改良資材と言えるでしょう。
ふかふかの土を作る米ぬかぼかし肥料の作り方


米ぬかの力を最大限に、そして安全に引き出す「秘密兵器」、それが 「ぼかし肥料」 です。
ここでは、その作り方をご紹介します。
なんだか難しそうに聞こえるかもしれませんが、ポイントさえ押さえれば誰でも簡単に作れますよ。
ぼかし肥料とは?
「ぼかし肥料」とは、米ぬかなどの有機物を土に混ぜる前に、微生物の力であらかじめ発酵させた肥料のこと。
そのまま米ぬかを土に入れると、土の中で一気に発酵して「微生物の大宴会」が起こり、臭いや害虫の原因になることもあります。
そこで、あらかじめ発酵をコントロールしてから使うことで、安心して土に混ぜられる状態にするのが「ぼかし肥料」です。
※なお、ぼかし肥料には 空気を抜いて発酵させる「嫌気発酵タイプ」 と、切り返して空気を混ぜる「好気発酵タイプ」 があります。
ここでは初心者でも扱いやすい 密閉型(嫌気発酵) を紹介します。
初心者向け!簡単ぼかし肥料レシピ
【材料】
- 米ぬか:10リットル(約5kg)
- 油かす:3リットル(※なくても作れます)
- 水:1.5〜2リットル程度
【作り方】
- 乾いた材料を混ぜる
ブルーシートなどの上で、米ぬかと油かすをムラなく、よーく混ぜ合わせます。 - 水を少しずつ加える
ジョウロなどで水を少しずつ加えながら混ぜます。
一度に入れると腐敗の原因になるため慎重に。 - 「握ってチェック」で水分量を確認
材料をギュッと握って団子状にまとまり、指で軽く押すとホロっと崩れる状態がベスト。
水がにじむのは多すぎ、固まらないのは少なすぎです。 - 密閉して発酵させる
厚手のビニール袋などに入れ、空気をしっかり抜きながら詰めます。 - 待つだけ!
直射日光の当たらない涼しい場所で、夏場なら約1ヶ月、冬場なら2~3ヶ月待ちます。
発酵のサインと保存方法
お味噌や甘酒のような、香ばしく甘酸っぱい香りがすれば大成功!
完成したぼかし肥料は、天日でしっかり乾燥させれば長期保存も可能です。
乾燥が不十分だとカビが生えるので注意しましょう。



米ぬかを土に混ぜるのに最適な量と時期
米ぬかを土に混ぜる際の「量」と「時期」は、生の米ぬかと「ぼかし肥料」とでは、考え方が全く異なります。
この違いを理解することが、米ぬかマスターへの最後のステップです。
【生の米ぬか】を使う場合
生の米ぬかは、土壌環境を改善するための「土へのごはん」。
土の基礎力を高める資材と捉えましょう。
- 最適な量
1平方メートルあたり100g〜300gが目安。
初めて使う場合は少なめから試すのが安全です。 - 最適な時期
秋(収穫後)か、早春(植え付けの1ヶ月以上前)の、畑に何も植わっていない時期がベスト。
植え付け直前に生の米ぬかを混ぜるのは絶対に避けてください。
【ぼかし肥料】を使う場合
発酵済みのぼかし肥料は、植物に直接与える「肥料」として安心して使えます。
- 最適な量
元肥として使うなら、植え付け1〜2週間前に1平方メートルあたり200g〜500g程度を土に混ぜ込みます。
追肥なら、株元にパラパラと少量(1株30g〜50g程度)を月に1回ほど与えましょう。 - 最適な時期
元肥として植え付け前に使うのはもちろん、生育中の追肥としても利用可能です。
生の米ぬかは「長期的な土づくり」の資材、ぼかし肥料は「植物を育てる」万能肥料。
この役割を使い分けることが、米ぬかを賢く活用するポイントになります。
畑に米ぬかを入れる効果と適切な使い方
家庭菜園より広い畑で米ぬかを活用すれば、その効果は計り知れません。
畑全体の土が持つ生産力、すなわち「地力(じりょく)」を根本から高めることができるのです。
米ぬかを畑に入れると、土がふかふかになり、水はけと水もちが良くなります。
夏の乾燥や冬の過湿に強い、災害に負けない土壌へと変わっていくのです。
また、多様な微生物が満ちた土壌は、特定の病原菌が繁殖するのを防ぐ「土の免疫力」を高め、連作障害や土壌病害の抑制も期待できます。
栄養面では、豊富なリン酸が野菜の味を向上させ、「米ぬかをまいた畑の野菜は甘くなる」という声も聞かれるほどです。
広い畑で使う場合も、基本は「適量・適期」を守ること。
1平方メートルあたり100g〜300gを目安に、畑全体に均等に散布し、必ずトラクターなどで土とよく混ぜ込み(すき込み)ましょう。
施用のタイミングは、作付けの2〜4週間以上前が基本です。
そうすることで、植え付けの頃には土が落ち着いた良い状態になっています。
また、もみ殻くん炭や堆肥など、他の有機資材と組み合わせるのも非常におすすめ。
栄養面と土壌改良面のバランスが取れ、より効果的に地力を高めることができます。
適切な管理のもと、米ぬかを賢く使って、豊かな収穫を楽しんでくださいね。
参考:エコ・ファーム鳥取「土壌改良で大活躍!『米ぬか』の特徴を解説」
市販のおすすめ米ぬか・ぼかし肥料
「ぼかし肥料を自分で作るのは、ちょっと大変そう…」
と感じる方もご安心を。
今では、高品質で使いやすい市販の米ぬか・ぼかし肥料がたくさんあります。
忙しい現代人にとって、市販品を上手に活用するのも賢い選択肢の一つです。
市販品はすでに発酵済みですぐに使え、臭いも抑えられている製品が多いので、ベランダ菜園などにもぴったり。
ここでは、初心者の方でも使いやすい、おすすめの商品をいくつかご紹介します。
1. サンアンドホープ「ぼかし完熟有機100%肥料」
全国のホームセンターで手軽に手に入る定番商品。
米ぬかや菜種油かすなどがバランス良く配合され、穏やかに効くので、草花から野菜まで幅広く使えます。
臭いも少なく、有機栽培を始めたい初心者の方に最適です。
- 口コミまとめ
- 臭いがほとんど気にならず、集合住宅でも使いやすい。
- 植物全般に使え、汎用性が高い。
- 土がふかふかになり、植物が健康に育つ。
もし自分に合うか試してみたいと感じた方は、サンアンドホープ「ぼかし完熟有機100%肥料」の商品ページもチェックしてみてください。
\花も野菜もパワフルに育つ土づくりを実感!/


2. 刀川平和農園「家庭菜園の有機肥料」
米ぬかと鶏ふんなどを原料にした混合有機肥料。
特にリン酸が多く、野菜の旨味を向上させる効果が期待できます。
細かな顆粒状で土と混ざりやすく、本格的に美味しい野菜を作りたい方におすすめです。
- 口コミまとめ
- 野菜の根張りが良くなり、育ちが良いと評判。
- 野菜の味、特に甘みや旨味が向上した。
- コストパフォーマンスが良く、リピート購入者が多い。
本格的に美味しい野菜作りに挑戦したい方は、刀川平和農園「家庭菜園の有機肥料」の商品ページを覗いてみてはいかがでしょうか。
\甘みとコクが際立つ本格野菜作りにおすすめ!/
3. みのり農産企画「熟成みのりボカシ肥料」
有機農家と土壌専門家が共同開発した、米ぬか・油かす・魚粉・骨粉など多様な原料を発酵させて作ったオールマイティなぼかし肥料。
野菜だけでなく花や果樹にも幅広く使え、未発酵米ぬか特有の害虫や臭い、根傷みの心配がなく、初心者でも安心して使えます。
元肥・追肥どちらにも利用でき、家庭菜園デビューにもおすすめです。
- 口コミまとめ
- 投入後1週間ほどで野菜の葉色が改善し、元気に育った。
- 粒状で扱いやすく、ベランダやプランターにも使いやすい。
- リピート購入が多く、「安心感」「植物全般に使える万能さ」の支持が高い。
もし安心・汎用性・使いやすさを重視するなら、みのり農産企画「熟成みのりボカシ肥料」は試してみる価値が大いにあります。
市販のおすすめ「ぼかし肥料」比較表
商品名 | タイプ | 形状 | 主な特徴 | こんな人におすすめ |
サンアンドホープ ぼかし完熟有機100%肥料 | ぼかし肥料 | 粒状 | 汎用性が高く、臭いが少ない。入手しやすい。 | 初めてぼかし肥料を使う人、ベランダなどで使用したい人 |
刀川平和農園 家庭菜園の有機肥料 | 混合有機質肥料 | 細粒 | 野菜のうま味向上、土壌活性化効果。高コスパ。 | 本格的に美味しい野菜を作りたい人、コスパを重視する人 |
みのり農産企画 熟成みのりボカシ肥料 | ぼかし肥料 | 粒状 | 幅広い作物に使え、発酵済みで初心者にも安心。 | 万能型で安心できる肥料を探している人、手軽にぼかし肥料を始めたい人 |
これらの市販品を上手に活用すれば、手間をかけずに米ぬかの素晴らしい恩恵を受けることができます。
ご自身のスタイルに合わせて最適なものを選び、豊かな家庭菜園ライフを楽しんでくださいね。
米ぬかを土に混ぜてしまった時の対処と正しい使い方まとめ
最後に、この記事の重要ポイントを振り返ってみましょう。
- 生の米ぬかを土に混ぜると、発酵熱、ガス発生、窒素飢餓、害虫発生などのトラブルが起きることがある。
- 混ぜてしまった直後は、とにかく土をよく耕して空気を送り込むのが最善の応急処置。
- 植物が植わっている場合は、液体肥料で栄養補給し、土に通気穴を開けて根を守る。
- ウジ虫や悪臭、カビの問題も、土を乾燥気味に管理し、よくかき混ぜることで解決できる。
- 生の米ぬかの適量は1平方メートルあたり100g~300g。これ以上なら減らすか、長期間寝かせる。
- 生の米ぬかは「土のごはん」。植え付けの1ヶ月以上前に施用するのが鉄則。
- 生の米ぬかを使うのが不安なら、あらかじめ発酵させた「ぼかし肥料」が安全で確実。
- ぼかし肥料は自作も可能。ポイントは水分量を「握ってホロリ」に調整すること。
- ぼかし肥料は元肥にも追肥にも使える万能肥料。
- 米ぬかは土をふかふかにし、病気に強い土壌を作るなど、多くのメリットがある。
- 自分で作るのが大変なら、高品質な市販のぼかし肥料を活用するのも賢い選択。
- 失敗を恐れず、米ぬかの特性を理解して使えば、これほど頼もしい味方はいない。
米ぬかを土に混ぜてしまったという失敗は、土と微生物の世界を深く知る絶好のチャンスです。
今回の経験を糧に、ぜひ土づくりの楽しさを満喫してください。
\発酵済みだから初心者にも安心の有機肥料!/