庭木として人気のあるブラシの木ですが、「植えてはいけない」と耳にすると不安になりますよね。
成長速度が早くて思った以上に広がったり、剪定を怠ると虫が発生したり、花が終わった後の姿に後悔する人も少なくありません。
中には枯れるリスクや迷惑になるケースもあり、実際にデメリットを知らずに植えてしまうと後悔することも…。
しかし正しい育て方や剪定時期を守れば、鉢植えでも庭のシンボルツリーとして長く楽しめます。
この記事では、ブラシの木の特徴から後悔しない育て方、風水的な意味までわかりやすく解説します。
読み終えたとき、あなたの庭に本当に合うかどうかがはっきり見えてきますよ。

- ブラシの木を植えてはいけない理由とデメリット
- 成長速度や剪定など管理で注意すべき点
- 鉢植えや種類選びで後悔しない育て方
- 風水や安全性を含めた庭木としての特徴
ブラシの木を植えてはいけないと言われる6つの理由
まずは多くの方が不安に感じる、「植えてはいけない」と言われる理由から、じっくりと見ていきましょうか。
ブラシの木が持つ、生まれながらの個性とも言えるデメリットを知っておけば、事前に対策を立てたり、「うちの庭には、ちょっと合わないかな」と見送ったり、賢い判断ができるはずです。
- 予想以上に横へ広がる驚きの成長速度
- 剪定を怠ると虫の住処になりやすい
- 一度植えたら動かせない移植の難しさ
- 日本の多湿な環境では根腐れしやすい
- 花が終わった後の見た目が残念に感じられることも
- 毒性やアレルギーの心配は少ないが注意点も
このあと、それぞれのポイントについて詳しく説明していきますね。
予想以上に広がる!驚きの成長速度がデメリット


ブラシの木を植えて後悔する一番の理由、それはおそらく、その独特すぎる成長スタイルにあります。
多くの庭木が空を目指すのに対し、ブラシの木は高さよりも「横」への広がりにエネルギーを注ぐタイプなんです。
高さより横幅に注意!
一般的なブラシの木は、高さこそ2〜3メートルで落ち着きますが、その横幅はなんと4〜5メートルに達することも。
まるで一本の木が、大きな傘を広げるようにぐんぐん枝を張り出していく様子を想像してみてください。
植えた当初は小さなスペースで十分だと思っていても、あっという間に通路が狭くなったり、お隣の敷地にはみ出してしまったり…
なんていう困った事態も起こりがちです。
この「高さと横幅のアンバランスな成長」こそが、ブラシの木が「予想以上に広がる」と言われる最大の理由。
植え付ける時に、数年後の成長した姿をしっかりイメージしてあげないと、「こんなはずじゃなかった…」とため息をつくことになってしまいますよ。



剪定や虫の管理の手間がかかる
ブラシの木は基本的に丈夫ですが、「完全に放ったらかしでOK」という意味とは、ちょっと違うんですよ。
特に気をつけたいのが、あの厄介なカイガラムシの存在です。
カイガラムシの隠れ家に
この虫は、日当たりが悪くジメジメした風通しの悪い場所が大好き。
ブラシの木が横に広がり、枝葉がぎゅっと密集してくると、木の内部は彼らにとって極上の隠れ家と化してしまうのです。
一度大量発生してしまうと、木の樹液を吸って弱らせるだけでなく、駆除にはかなりの根気が必要になります。
予防の鍵は「剪定」
ブラシの木は放っておくと枝が混み合いやすいので、定期的に剪定をして枝の数を整理し、木の内部まで風と光が届くようにしてあげることが、カイガラムシ予防の一番の特効薬になるんです。
剪定をサボると、樹形が乱れるだけでなく、害虫の温床となり、結果的に余計な手間を増やすことにつながってしまいます。



移植が難しく一度植えたら動かせない


ガーデニングの楽しみの一つに、庭のレイアウトを自由に変えることがありますよね。
でも、ブラシの木に関しては、その発想は少し通用しないかもしれません。
なぜなら、ブラシの木は極端に移植を嫌う、とてもデリケートな性質を持っているからです。
ガラス細工のように繊細な根
ブラシの木の根は、まるで繊細なガラス細工のよう。
植え替えの時にほんの少し傷ついただけでも、木全体がみるみる弱ってしまい、最悪の場合は枯れてしまうことも珍しくありません。
ですから、一度地面に植えたブラシの木を後から動かすのは、ほぼ不可能だと覚悟しておきましょう。
この取り返しのつかなさこそ、「ブラシの木を植えてはいけない」と言われる大きな理由の一つ。
植え付けは、まさに「一生モノの場所」を決める覚悟で臨む必要があります。



過湿に弱く根腐れで枯れることも
ブラシの木は、カラッとした気候のオーストラリア生まれ。
そのため乾燥には強いのですが、その反面、ジメジメした多湿な環境を極端に苦手とします。
日本の梅雨のように、土がずっと湿った状態が続くと、「根腐れ」を起こして枯れてしまう危険が高まるのです。
水不足と見間違える危険なサイン
この根腐れが本当にやっかいなのは、「枯れ始めているサイン」が、まるで「水が足りてないサイン」とそっくりな点です。
根が腐ると水を吸い上げられなくなり、葉が黄色くなったりしおれたりします。
これを見て「水が足りない!」と勘違いし、さらに水をあげてしまうと、事態は急速に悪化してしまうのです。
この悲劇を防ぐには、植える場所の「水はけ」が何よりも重要。
粘土質で水たまりができやすい土壌に植える場合は、しっかりとした土壌改良が不可欠ですよ。



花が終わった後の見た目が悪いという後悔の声


ブラシの木が満開を迎える季節は圧巻の美しさですが、その花の季節が過ぎ去ると、一転して「あれ?ちょっと残念…」と感じてしまう方が少なくないのも事実です。
地面の掃除と木に残る花がら
花が終わると、赤い花びら(雄しべ)が大量に地面に散らばり、掃除が大変になることがあります。
さらに、花が終わった後の「ブラシの芯」の部分は、枝にそのまま残り続け、茶色く枯れたようなみすぼらしい印象を与えてしまうことがあるのです。
満開時の華やかさとのギャップが大きいだけに、この花後の姿にがっかりしてしまう方は少なくありません。
実際に育てた方からは、こんな声も聞こえてきます。
- 枝に残った茶色い実が、虫の卵みたいでちょっと苦手…。花は好きだけど、生理的に無理かも。
- 満開時は見事だけど、花が終わると赤い毛みたいな花びらが散乱して掃除が面倒で後悔しました。
- コンクリートの庭に植えたら、落ちた花の色が染みついてなかなか落ちないの。場所を考えるべきだったわ。
- 花の時期だけ見て決めちゃダメね。あのブツブツが苦手な人は、本当に後悔すると思う。
もし自分に合うか試してみたいと感じた方は、‘リトルジョン’のようなコンパクトな品種を鉢植えで育てて、花後の様子を観察してみるのも良いかもしれませんよ。



ブラシの木に毒性やアレルギーの心配はある?
小さなお子さんやペットがいるお庭では、植物の安全性も気になりますよね。
その点については、どうぞご安心を。
ブラシの木は、犬や猫などのペットに対して毒性がないとされています。
ペットがいる家庭でも安心
万が一、好奇心旺盛なペットが葉や花を少しかじってしまっても、中毒症状を引き起こすような有害物質は含まれていないとのこと。
これはペットオーナーさんにとって、嬉しいニュースではないでしょうか。
ただし、「無毒」だからといって大量に食べさせて良いわけではないので、その点は注意してあげてくださいね。
アレルギーについての注意点
アレルギーに関しては、ブラシの木が特別引き起こしやすいという報告はあまりありません。
しかし、植物の花粉に敏感な方は用心するに越したことはないでしょう。
また、開花時期には花の蜜を求めてミツバチが集まることもあるので、ハチアレルギーをお持ちの方は少し頭に入れておくと良いかもしれません。



後悔しない!ブラシの木の上手な育て方と剪定のコツ
さて、ここまでブラシの木の「植えてはいけない」と言われる理由をじっくり見てきました。
正直、ちょっと怖気づいてしまった方もいるかもしれませんね。
でも、大丈夫!
これまでお話ししてきた問題点のほとんどは、これからご紹介する「上手な育て方」を実践すれば、かなりの確率で解決できるものばかりなんです。
- 自分の庭に合ったコンパクトな品種を選ぶ
- 鉢植えなら大きさの管理がずっと楽になる
- 地植えは最初が肝心!日当たりと水はけを重視
- 剪定は「花後すぐ」の黄金ルールを守る
- 風水を意識して植える場所を決めるのも楽しい
- 自分のライフスタイルに合うか見極める
ここからは、ブラシの木をあなたの庭の最高のシンボルツリーとして輝かせるための、具体的な方法とコツを分かりやすく解説していきますね。
初心者向け!比較的育てやすいブラシの木の種類
後悔しないための最初の、そして最も大切なステップは、「品種選び」にあります。
一口に「ブラシの木」と言っても色々な種類があり、特に「大きくなりすぎる」という悩みを根本から解消してくれるコンパクトな品種を選ぶことが、成功への一番の近道なんです。
初心者におすすめの‘リトルジョン’
初心者の方や、限られたスペースで楽しみたい方には、‘リトルジョン’という矮性(わいせい:普通の品種より小さく育つ性質)品種が特におすすめ。
成長がとても緩やかで、最終的な樹高も1メートル程度と、キュッとコンパクトにまとまってくれるんですよ。
代表的なブラシの木の品種
品種名 | 樹高 x 横幅の目安 | 特徴 | おすすめの用途 |
通常種(キンポウジュなど) | 2~3 m x 4~5 m | 最も一般的。横に大きく広がるため、広いスペースが必要。 | 広い庭のシンボルツリー |
リトルジョン | 約1 m x 1.5 m | 矮性で成長が遅い。コンパクトにまとまる。二季咲き性。 | ベランダや玄関先の鉢植え、小さな花壇 |
シダレブラシノキ | 2~4 m x 2~4 m | 枝が柳のようにしだれるタイプ。優雅な雰囲気。 | 庭のアクセントツリー、池のほとりなど |
もし自分に合うか試してみたいと感じた方は、‘リトルジョン’のような品種からスタートしてみてはいかがでしょうか。



庭でブラシの木を小さく育てるなら鉢植えが最適


「ブラシの木は素敵だけど、地植えは不安…」
そんなあなたに、ぜひおすすめしたいのが鉢植えでの栽培です。
鉢植えには、地植えで発生しがちなブラシの木のデメリットを、まるっと解決してくれるメリットがたくさん詰まっているんですよ。
鉢植え栽培の3つのメリット
まず、鉢の大きさに合わせて根の広がりが制限されるので、大きさのコントロールがとても簡単になります。
次に、水はけの良い土を使いやすいため、根腐れの心配もグッと減らせます。
そして、日当たりの良い場所に移動させたり、台風の時に避難させたりと、自由に場所を動かせるのも大きな魅力です。
唯一の注意点は「水切れ」
ただし、鉢植えには一つだけ注意点があります。
それは「水切れ」です。
鉢の中の土は乾きやすいので、特に夏場はこまめな水やりが必要になります。
この点さえ忘れずにチェックしてあげれば、鉢植えはブラシの木をぐっと身近に感じられる、最良の選択肢となるはずです。



シンボルツリーにするなら知っておきたい育て方の基本
「やっぱりブラシの木を、庭の主役として育てたい!」
その場合は、最初の「植え付け」が、成功の9割を決めると言っても過言ではありません。
成功の9割を決める「場所選び」
ブラシの木が元気に育つには、一日中たっぷりと日が当たる、水はけの良い場所が絶対条件です。
雨が降った後に水たまりができるような場所は避けましょう。
また、将来的に横に広がる可能性を考え、十分なスペースを確保することも忘れないでくださいね。
植え付けの適期は、もっとも失敗が少ない4月~6月頃がベスト。
ただし暖かい地域なら、4月中旬から9月頃までの暖かい時期も植え付け可能です。
最初の2年が肝心な水やり
植え付けてから最初の2年間は、根がしっかり張るまでの大切な期間です。
土の表面が乾いたら、たっぷりと水を与えましょう。
この時期を乗り越えれば、その後は基本的に水やりは不要になります。
肥料もあまり必要とせず、年に一度、冬に少し施す程度で十分ですよ。



剪定時期はいつ?花が終わったらすぐに切るのがコツ


ブラシの木をきれいに育てるうえで、一番大切なのが剪定(せんてい)です。
これをサボると枝が伸び放題になったり、翌年に花が咲かなくなったりして後悔することに…。
でも安心してください。
ひとつのルールさえ覚えておけば大丈夫です。
絶対に守りたいルール
それは「花が終わったら、間を置かずにすぐ切る」ということ。
ブラシの木は、花が咲いた後の枝先から新しい枝を伸ばし、夏から秋にかけて翌年の花になる芽を作ります。
もし秋や冬に思い切って枝を切ってしまうと、その花芽を丸ごと落としてしまうことに。
結果、「あれ?今年は花が咲かない…」という残念な状態になりやすいのです。
剪定のベストタイミング
目安は6月下旬から7月頃。
春の花が終わったら、花がらのすぐ下あたりで切り戻すのが基本です。
この一手間をかけるだけで、翌年の花付きがぐんと良くなります。
春先のもうひと仕事
加えて、3月上旬ごろには強めの剪定をするのがおすすめ。
新芽が伸び始める前に不要な枝を整理すれば、樹形もきれいにまとまりやすくなります。
ただし、木が弱っているときに強く切ると負担になるので、そのときの状態を見て加減してあげると安心です。
避けたい時期
反対に、真夏や秋以降の剪定はNG。
せっかく作られた花芽を切り落としてしまううえ、木自体に負担がかかることもあります。



ブラシの木の風水的な効果とおすすめの方角
庭に植える木を選ぶとき、ちょっとした「風水的な意味合い」を気にするのも楽しいですよね。
ブラシの木は、その燃えるような赤い花から、風水においても非常に強いパワーを持つとされているんですよ。
燃えるような赤色は「火」の象徴
風水の世界では、ブラシの木の赤い花は「火」のエレメントを象徴すると言われています。
そして、「火」のエレメントと最も相性が良いとされる方角は、ずばり「南」なんです。
南は人気や名声、美しさを司る方角とされています。
ただし、風水にはいくつか流派があり、「東(家族運や健康運)」や「西(金運)」も赤い花木と相性が良いとする考え方もあります。
一般的には南が推奨されますが、住まいや目的に合わせて選んでも良いでしょう。
面白いことに、これは園芸的な観点とも見事に一致します。
ブラシの木が最も好むのは日当たりの良い場所であり、お家の中で一番日当たりが良いのは多くの場合「南側」ですよね。
植物が元気に育つ環境が良い運気を呼び込むというのは、風水の観点から見ても自然で理にかなっている気がしませんか?



ブラシの木をおすすめする人としない人の特徴
ここまで見てきた情報をまとめて、「ブラシの木と相性の良い人」と「別の木を選んだ方が後悔しない人」の特徴を整理しておきましょう。
こんなあなたにおすすめ!
- 庭に十分なスペースがあり、成長後の大きさを見越して植えられる人
- 鉢植えでコンパクトに管理するのが好きな人
- 花後や春先の年1~2回の剪定を手間だと思わず楽しめる人
- ペットや家族の健康に気を配れる人(※ブラシの木に強い毒性はありませんが、花粉やハチが来る点には配慮が必要です)
- 他にはないユニークな花姿や個性的な庭木を好む人
ちょっと待って!別の木を検討した方がいいかも…
- 狭い場所しかなく、将来の広がりに対応できない人
- 「植えっぱなしで完全放置したい」という人
- 庭のレイアウトを頻繁に変えたい人(ブラシの木は移植が苦手です)
- 土の排水が悪く、いつもじめじめしている庭しかない人
- 花がらや落ち葉の掃除を面倒に感じる人
ブラシの木は、決して育てにくい植物ではありません。
ただ、ちょっと個性が強いだけなんです。
その個性を理解して、こまめに手をかけてあげれば、毎年鮮やかな花を咲かせてくれる頼もしい存在になりますよ。
庭に彩りと話題性を加えてくれる一本として、大切に育ててみてはいかがでしょうか。



ブラシの木を植えてはいけない理由と後悔しない育て方まとめ
最後に、この記事の重要ポイントを振り返ってみましょう。
- ブラシの木を植えてはいけないと言われる最大の理由は、高さより横に広がる驚きの成長速度。
- 将来の姿を想像せず狭い場所に植えると、後悔の原因になりやすい。
- 剪定を怠ると枝が密集し、カイガラムシなど害虫の住処になることがある。
- 風通しを良くする「花後すぐの剪定」が、害虫予防と美しい樹形維持の鍵。
- 根がデリケートで移植を極端に嫌うため、一度地植えしたら動かせない。
- 植え付け場所は、長期的な視点で慎重に選ぶことが不可欠。
- オーストラリア原産で多湿が苦手なため、日本の梅雨時期などは根腐れに注意が必要。
- 水はけの良い土壌に植えることが、根腐れを防ぐための最重要ポイント。
- 花が終わった後の花がらや、地面に散らばる花びらが、見た目の問題や掃除の手間になることも。
- ペットに対する毒性の心配は少ないが、アレルギー体質の方は注意が必要。
- 後悔しないためには、‘リトルジョン’のようなコンパクトな矮性品種を選ぶのがおすすめ。
- 鉢植え栽培なら、大きさの管理や移動が簡単で、初心者にも挑戦しやすい。
- 地植えの場合は、日当たりと水はけの良い場所を選び、最初の2年間の水やりを丁寧に行う。
- 風水では「南」の方角と相性が良く、人気運や名声運アップが期待できる。
- 自分の庭の環境や、手入れにかけられる時間を考えて、お迎えするかどうかを判断することが大切。
ブラシの木は、そのユニークな個性を理解し、少しだけ手をかけてあげることで、他にはない魅力であなたの庭を彩ってくれる素晴らしい木です。