ふきのとうを庭に植えてはいけないのはなぜ?失敗しない栽培法を解説

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ふきのとうを庭に植えてはいけないのはなぜ?失敗しない栽培法を解説
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「ふきのとうを庭に植えてはいけないって本当?」

そんな疑問をお持ちではありませんか?

実はふきのとうを地植えすると、繁殖力が強すぎて庭中に勝手に生えるだけでなく、毒やアレルギーの心配まで出てきます。

でも、安心してください。

ふきのとうの育て方をプランター栽培に切り替えるだけで、危険を避けつつ安全に楽しむことができます。


この記事では、ふきのとうの苗や種の選び方、収穫する時期、さらには「ふきのとうとふきの違い」や「花は食べられる?」といった素朴な疑問まで、わかりやすくお伝えしていきます。

庭を守りつつ、春の味覚を楽しむコツを教えますよ!

この記事のポイント
  • ふきのとうを庭に植えてはいけない理由
  • 地植えによる繁殖や駆除の難しさ
  • 毒性やアレルギーのリスクと対処法
  • プランター栽培など安全な育て方と楽しみ方
目次

ふきのとうを庭に植えてはいけないと言われる理由

ふきのとうは、その愛らしい見た目からは想像できないほど、庭に植えるには注意が必要な植物です。

ここでは、なぜ庭に植えてはいけないのか、その主な理由を簡単に解説します。

庭に植えてはいけないと言われる主な理由
  • 地下茎の繁殖力がすさまじく、庭を占領してしまう
  • 一度根付くと、完全に駆除するのが非常に難しい
  • 勝手に増えるため、管理に終わりなき手間がかかる
  • 天然の毒素を含み、有毒植物と間違える危険性がある
  • キク科アレルギーの症状を引き起こす可能性がある

「そんなに大変なの?」と驚かれたかもしれませんね。

このあとそれぞれのポイントについて、さらに詳しく説明していきます。

地下茎の繁殖力が強く庭を占領するから

ふきのとうを庭に植えてはいけない最大の理由の一つが、その驚異的な繁殖力です。

ふきのとうは、地上に見える部分だけでなく、地中で「地下茎(ちかけい)」と呼ばれる茎を縦横無尽に伸ばして増えていく植物なのです。

この地下茎は、土の表面からわずか5cmから10cmという浅い場所を、まるで網の目のように広がり、気づいた頃には庭をあっという間に占領してしまう可能性があります。


たとえるなら、私たちが地上で目にしているふきのとうや、夏に茂る大きなフキの葉は「氷山の一角」に過ぎません。

その何倍もの広がりを持つ地下茎のネットワークが、地面の下に隠されているのです。

最初は庭の片隅に数株植えたつもりが、翌年、またその翌年には、思いもよらない場所から次々と芽を出してきます。


そして、大切に育てていた他のお花や野菜のスペースを奪い、庭全体がフキの葉に覆い尽くされてしまう事態になりかねません。

この地下茎は他の草花の根に絡みつき、栄養や水分を横取りすることで、周囲の植物の生育を妨げることがあります。


また、夏場に大きく広がったフキの葉は日陰を作り、日当たりを好む植物の成長を邪魔してしまう可能性も。

春先は可愛らしい芽で庭がにぎやかになると喜んでいても、シーズン後半には葉が茂りすぎて庭が雑然とした印象になることもあります。

このような強すぎる繁殖力が、ふきのとうを地植えしてはいけないと言われる大きな理由です。

大切なお花が負けちゃうのは悲しいですね…。

一度地植えすると完全に駆除するのが難しい

もし「やっぱり増えすぎたから、なくしてしまおう」と思っても、一度庭に根付いてしまったふきのとうを完全に根絶するのは、想像を絶するほど困難な作業です。

なぜなら、ふきのとうの地下茎は、たとえ途中でブチブチとちぎれても、その小さなカケラ一つひとつから再生し、新しい株として成長する驚異的な生命力を持っているからです。


これは、普通の雑草取りの感覚で駆除しようとすると、かえって事態を悪化させる原因になります。

スコップで掘り起こそうとすれば、地下茎は細かく分断されますよね。

その断片が土の中に少しでも残ってしまうと、それらがすべて新しいふきのとうの「種」のようになり、以前よりも広範囲に、そして大量に発生してしまう可能性があるのです。


この現象は、ギリシャ神話に登場する、首を一つ切り落とすとそこから二つの新しい首が生えてくる怪物「ヒュドラ」にそっくりです。

中途半端な手出しは、かえって敵を増やす結果に終わってしまうかもしれません。


では、どうすれば完全に駆除できるのでしょうか。

手作業で行うなら、フキが生えている範囲の土をすべて掘り返し、土をふるいにかけながら地下茎の破片を一つ残らず、執念深く取り除くしかありません。


もう一つの方法として、その場所を遮光性の高い防草シートで覆い、光を完全に遮断して地下茎を枯死させる手もありますが、効果が出るまでに1年から2年という長い時間が必要です。


このように、一度招き入れてしまったふきのとうに退場してもらうのは、決して簡単なことではないのです。

引っこ抜いてもカケラから復活するなんて、しぶといにゃ…。

勝手に生えるふきのとうの管理はとても大変

地面から顔を出した黄色い花のふきのとうが並んでいる様子

「それなら、増えるのを覚悟の上で、しっかり管理すればいいのでは?」

と考える方もいるかもしれません。

しかし、地植えしたふきのとうを「管理」するということは、一般的な園芸作業とは全く異なり、むしろ「封じ込め」に近い、終わりなき戦いを意味します。


そもそもふきのとうは、近隣の野原などから種子が風に乗って飛来し、意図せず庭に生えてくることも珍しくありません。

こうした勝手に生えてきたふきのとうも、放置すればどんどん広がってしまいます。

地植えでふきのとうを一定の区画に留めておくためには、まず植え付けの段階で、土の中に「地下障壁」や「防根シート」といった物理的な壁を埋め込む必要があります。


そして、その壁を乗り越えて伸びてくる地下茎や、こぼれ種から発生する新しい芽がないか、常にパトロールし、見つけ次第取り除かなければなりません。

これは、庭でリラックスしたいという思いとは裏腹に、まるで脱走の名人を飼育する「飼育員」のような役割を、庭主に強いることになります。


さらに、たとえ区画内に封じ込めることができたとしても、問題は終わりません。

数年も経つと、区画内は地下茎でぎゅうぎゅう詰めになり、風通しが悪くなってしまいます。

美味しいふきのとうを収穫し続けるためには、3年から5年に一度は地下茎を掘り起こし、間引いて植え直す「更新作業」が必要になるのです。


このように、地植えのふきのとうを管理するには、絶え間ない監視と定期的な重労働がセットでついてくることを覚悟しなくてはなりません。

ご近所トラブルの原因にもなりかねないので、地植えは慎重に考えたいですね。

ふきのとうには毒がある?安心して食べるには

春の味覚として親しまれているふきのとうですが、実は「毒」について考えるべき点が2つあります。

しかし、正しく知れば、安全に美味しくいただくことができるので安心してくださいね。

天然の有毒成分「ピロリジジンアルカロイド類」

一つ目は、ふきのとう自体に含まれる天然の有毒成分「ピロリジジンアルカロイド類(PA)」です。

これは植物が虫などから身を守るための毒素で、長期間にわたって大量に摂取し続けると、肝臓に障害を引き起こす可能性があるとされています。

ただ、過度に心配する必要はありません。

この成分は水に溶けやすい性質を持っているため、昔から伝わる「アク抜き」(茹でこぼしと水さらし)という調理工程で、安全なレベルまで減らすことができます。

天ぷらにする場合でも、一度茹でてアク抜きをしてから調理するのが、より安全な食べ方と言えるでしょう。

有毒植物との「誤食」

そして二つ目、こちらの方がはるかに危険なのが、有毒植物との「誤食」です。

ふきのとうの芽出しの頃の姿は、猛毒を持つ「ハシリドコロ」という植物に非常によく似ています。

ハシリドコロを誤って食べると、嘔吐や痙攣、意識障害などを引き起こし、最悪の場合は命に関わることもある大変危険な植物です。

庭にふきのとうが自生した場合、すぐ隣にハシリドコロが芽を出している可能性もゼロではありません。

安全にふきのとうを楽しむためには、この2段階のリスク管理が不可欠です。

つまり、「正しい植物(ふきのとう)を、正しく調理(アク抜き)する」こと。

特に、有毒植物との見分けは命に関わる重要な知識なので、下の表で違いをしっかり確認しておきましょう。

特徴ふきのとう毒草「ハシリドコロ」
芽の表面白い綿毛に覆われている毛がなく、ツルツルして光沢がある
芽の中身花のつぼみがたくさん詰まっている葉が何層にも重なっているだけで、花のつぼみは少ない
香り独特の爽やかな香りがあるほとんど香りはないか、不快な匂いがする
毒性アク抜きが必要な天然毒素を含む全草に猛毒を含み、食べると非常に危険

少しでも「あれ?」と思ったら、絶対に採らない、食べないことを徹底してください。

参考:

正しい知識があれば、安全に美味しくいただけますね。

ふきのとうでアレルギー症状が出ることも

ふきのとうの近くでアレルギー症状に悩む女性の様子

ふきのとうは、キク科の植物です。

そのため、同じキク科の植物であるヨモギやブタクサなどに花粉症を持っている方は、ふきのとうを食べることによってアレルギー症状を引き起こす可能性があります。

報告されている症状は、口の中や喉のかゆみ、顔の腫れ、じんましん、腹痛、下痢、嘔吐など多岐にわたります。

重篤な場合には、呼吸困難などを伴うアナフィラキシーショックを起こしたという事例も報告されており、注意が必要です。


このアレルギーの原因物質は、ふきのとうの雄花の花粉に含まれるタンパク質だと考えられています。

そして厄介なことに、このアレルゲンは熱に強く、加熱調理をしても分解されにくい性質を持っています。


つまり、天ぷらや味噌汁のようにしっかり火を通したからといって、アレルギーのリスクがなくならないのです。

特に注意したいのが、天ぷらで食べた場合です。

衣に包まれているため、アレルゲンが体内に吸収されるのが遅れ、食べてから2時間から4時間後といった、しばらく時間が経ってから症状が現れることがあります。

これでは、まさか昼食に食べたふきのとうが原因だとは気づきにくいかもしれませんね。


また、食べるだけでなく、触れただけでも皮膚がかぶれることがあります。

キク科花粉症をお持ちの方や、過去に山菜で体調に異変を感じたことがある方は、ふきのとうを食べる際や扱う際には特に慎重になるべきでしょう。

「キク科アレルギーの人は注意」という点は頭に入れておき、心配な場合は医師に相談することも検討してください。

アレルギーは怖いので、心配な方は少量から試すのが良さそうですね。

ふきのとうを安全に栽培して美味しく食べる方法

ここまで、ふきのとうを庭に地植えするリスクについて詳しくお話ししてきました。

「じゃあ、もうふきのとうは楽しめないの?」

とがっかりする必要はありませんよ。

ここからは、そうしたリスクを回避し、春の味覚を心ゆくまで安全に、そして美味しく楽しむための具体的な方法をご紹介します。

安全にふきのとうを楽しむためのポイント
  • まずは「ふきのとう」の正体を知る
  • ふきのとうとフキの関係を理解する
  • プランター栽培で安全に育てる
  • 苗や種の入手方法を知っておく
  • 収穫のタイミングとコツを学ぶ
  • 正しいアク抜きと調理法をマスターする

これらのポイントを押さえれば、厄介な侵略者ではなく、愛すべき家庭菜園の仲間としてふきのとうと付き合っていけるはずです。

一つずつ見ていきましょう。

そもそも「ふきのとう」とは?旬の季節と基本情報

竹かごに入ったふきのとうと大きなフキの葉が並んでいる様子

まず、ふきのとうが一体何者なのか、その正体を知ることから始めましょう。

「ふきのとう(蕗の薹)」は、キク科フキ属の植物「フキ」の花のつぼみ(花茎)を指します。

漢字の「薹」は、花の咲く茎を意味する言葉で、まさに「フキの花の茎」そのものを表しているのです。


日本では古くから「春の使者」とも呼ばれ、雪解けとともに地面から顔を出す、春一番の山菜として親しまれてきました。

その独特のほろ苦さは、冬の間に縮こまっていた体に活力を与え、目覚めさせてくれると言われています。

冬眠から目覚めた熊が最初に口にするのも、このふきのとうだという話は有名ですね。


天然のふきのとうが採れる旬の時期は、地域によって異なりますが、だいたい2月から3月頃です。

暖かい地域から順に収穫時期が北上していき、東北や北海道などの寒い地域では4月や5月が旬になることもあります。

スーパーなどに出回る栽培ものは、12月頃から見かけることもありますね。


ふきのとうは、ただ美味しいだけでなく、カリウムやビタミンK、葉酸、食物繊維といった、体に嬉しい栄養素も含まれています。

単なる「野菜」としてだけでなく、季節の移ろいを感じさせてくれる「春の風物詩」として、その香りや味わいを楽しんでみてください。

熊さんも大好きな春の味覚にゃ!ボクも食べてみたいにゃ〜。

ふきのとうとふきの違いは?ふきになるって本当?

ここで、多くの人が抱いているかもしれない誤解を解いておきましょう。

「ふきのとうを採らずに放っておくと、あの大きなフキになる」と思っていませんか?

実際のところ、これは間違いなんです。

結論を言うと、ふきのとう(花)が成長してフキ(葉)になるわけではありません。


ふきのとうは「」、そして私たちが煮物などで食べるフキは「葉柄(ようへい)」という葉の一部です。

この二つは、地下でつながっている同じ一つの地下茎から生えてきますが、それぞれ別の芽から、別々のタイミングで地上に顔を出します。


この不思議な関係を、地下にある「工場」に例えてみましょう。

地下茎という工場には、「花を作るライン」と「葉を作るライン」の2つがあります。

早春になると、工場はまず「花を作るライン」を稼働させ、「ふきのとう」という製品を地上に出荷します。

ふきのとうは花を咲かせ、やがてタンポポのように綿毛のついた種を飛ばして、その役目を終えます。

花が枯れる頃、工場は「花ライン」を停止し、今度は「葉を作るライン」を稼働させます。

そして、別の場所から「フキ」という製品(葉と葉柄)を地上に伸ばし始めるのです。


このように、同じ工場から出荷される別々の製品が、入れ替わるように地上に現れるため、まるでふきのとうがフキに変身したかのように見えてしまうのですね。

なるほど!同じ植物でも、花と葉で別々に出てくるんですね!

庭がなくても安心!プランターでのふきのとうの育て方

プランターで育つふきのとうの若芽の様子

これまでも触れてきたように、ふきのとうを地植えにすると管理が大変ですが、プランター栽培ならその心配は一切ありません。

地下茎の暴走を完全に防ぎ、採れたての春の味覚を毎年楽しむことができる、最善の方法と言えるでしょう。

プランター選びが最重要!

ふきのとう栽培の成否は、プランター選びで決まると言っても過言ではありません。

地下茎は横に伸びる性質があるため、広々とした大きめの野菜用プランターを用意しましょう。

理想は、深さが30cm以上、幅(または直径)が40cm以上あるものです。

これが地下茎の逃げ場をなくし、管理を楽にする最大のポイントになります。


どのようなものが良いか、商品ページで口コミや詳細情報をチェックしてみるのもおすすめですよ。

土の準備

特別な土は必要ありません。

市販の「野菜用培養土」で十分です。

フキは湿り気のある土を好むので、腐葉土などがたっぷり入った、水はけと水もちのバランスが良い土を選びましょう。

植え付けと置き場所

植え付けるのは、種ではなく「地下茎」です。

園芸店などで「フキの苗」や「種根」として売られている地下茎を用意し、プランターに横向きに置いて5cmほど土をかぶせます。

置き場所は、直射日光がガンガン当たる場所より、「半日陰」が最適です。

水やりと長期的なお世話

フキは乾燥を非常に嫌う植物なので、土の表面が乾いたらたっぷりと水を与え、常に湿った状態を保つように心がけましょう。

そして、3~4年もするとプランターの中が地下茎でいっぱいになります。

そうなったら、一度掘り起こして株分けをし、新しい土で植え直してあげましょう。

この方法なら、ふきのとうを「厄介な侵略者」ではなく、「愛すべき家庭菜園の仲間」として、末永く楽しむことができます。

プランター栽培なら、あの繁殖力も気にせず気軽に挑戦できますね!

ふきのとうの苗や種はどこで買える?

「プランターで育ててみよう!」と決めたら、次は苗の入手です。

ここで一つ押さえておきたいのは、ふきのとうは一般的にアサガオのような小さな「種」から育てるのではなく、「地下茎」そのものを植えて増やすという点です。

ですから、探すときには「ふきのとうの種」ではなく、「フキの苗」「フキの地下茎」「フキの種根(たねね)」といった言葉で探すのが正解です。

これらの苗は、主に以下のような場所で購入できます。

  • オンラインの園芸専門店・種苗店
  • 大手通販サイト(楽天市場、Amazonなど)
  • フリマアプリ(メルカリなど)
  • ホームセンターやJAの直売所
  • 100円ショップ(まれに扱っていることがあります)

特に通販サイトは品揃えも豊富で、ポットに入った苗や、掘り出した地下茎をそのまま送ってくれる「素掘り苗(すぼりなえ)」など、様々な形態で販売されています。

一般的な「山フキ」の他に、茎が赤みを帯びる「赤フキ」や、大きく育つ「秋田フキ」など、品種から選ぶ楽しみもありますよ。

植え付け時期は、お住まいの地域によって春植えか秋植えかを選ぶのがおすすめです。

通販でも発送時期が決まっている場合が多いので、商品説明をよく確認してみてください。


どんな苗があるか、まずは大手通販サイトで探してみてはいかがでしょうか。

通販なら手軽に探せそうですね。レビューも参考にしてみようかな。

ふきのとうの収穫時期はいつ?全部取るとどうなる?

プランターで育てたふきのとう、いよいよ収穫の時です。

最高の風味を味わうためには、収穫のタイミングと方法がとても重要になります。

収穫のベストタイミング

収穫のベストタイミングは、ふきのとうが地面から顔を出し、つぼみがまだ硬く、キュッと締まっているときです。

外側の葉(苞:ほう)が開き始め、中の花が見えてくると、苦みやえぐみが強くなり、風味が落ちてしまいます。

この状態を「薹(とう)が立つ」と言い、「食べ頃を過ぎた」という意味の慣用句の語源にもなっています。

収穫する際は、手で引き抜くのは禁物です。

地下の親株を傷つけてしまう恐れがあるため、必ず、ハサミやカッターナイフを使って、根元からきれいに切り取るようにしましょう。

全部取るとどうなる?

「出てきたふきのとうを全部収穫したら、来年はもう生えてこないの?」と心配になるかもしれませんね。

結論から言えば、ふきのとうを全部摘み取ってしまうと翌年以降の株の勢いが弱くなる可能性があります。


植物の生態を、バッテリーとソーラーパネルに例えてみましょう。

  • 地下茎 = バッテリー
  • 夏に茂るフキの葉 = ソーラーパネル

ふきのとうは、地下茎(バッテリー)に蓄えられたエネルギーを使って春に芽を出します。


仮に、すべてのふきのとうを収穫してしまっても、それだけですぐに枯れることは稀です。

しかし、本当に重要なのはその後のケア。

夏にかけて伸びてくる大きなフキの葉(ソーラーパネル)が、光合成によって来年のためのエネルギーを地下茎(バッテリー)に充電します。


さらに、ふきのとうをすべて採った上に、夏の葉もすべて刈り取ってしまうと、バッテリーは充電されず、翌年のエネルギーが不足してしまうのです。

持続的に収穫を楽しむためには、夏場の葉を元気に育ててあげることが、来年への最高のプレゼントになるのですね。

来年の分も考えて、少し残してあげるのが優しさにゃ。

安全に食べるためのアク抜きと下処理方法

採れたてのふきのとうを、美味しく、そして安全にいただくために絶対に欠かせない工程が「アク抜き」です。

この一手間が、ふきのとう特有の強い苦みやえぐみを和らげ、同時に天然の有毒成分であるピロリジジンアルカロイド類の含有量を大幅に減らすために不可欠なのです。

アク抜きは、あなたの好みに合わせて苦みの強さを調整できる「フレーバーダイヤル」のようなもの。

ぜひマスターして、自分好みの春の味を見つけてください。

基本のアク抜き手順

【下準備】

ふきのとうを優しく洗い、根元の黒ずんだ部分や、傷んだ外側の葉を取り除きます。

【茹でる】

鍋にたっぷりのお湯を沸かし、ふきのとうを入れて1~2分ほど茹でたらすぐに火を止め、お湯を全部捨てます(茹でこぼし)。

【冷水に取る】

茹で上がったらすぐにザルにあけ、氷水など冷たい水に浸します。

こうすることで、鮮やかな緑色を保つことができます。

【水にさらす】

きれいな水に浸しておきます。

この時間が「フレーバーダイヤル」の役割です。

  • ほろ苦さを楽しみたい:1~2時間
  • マイルドな味わいが好き:半日~1日(途中で水を2~3回替える)

茹でる時の一工夫:苦みをコントロール!

お湯に塩をひとつまみ加えるのは、最も一般的な方法です。

アクが抜けやすくなるだけでなく、緑色がより鮮やかになります。

天然ものや、特に苦みが強いふきのとうの場合は、お湯に重曹を少量加えると、より効果的に苦みを和らげることができます。

十分さらしたらザルに上げ、軽く絞って水気を切れば下処理は完了です。

この一手間で味が全然違いますから、ぜひ試してみてください!

ふきのとうの花は食べられる?おすすめレシピ

揚げたてのふきのとうの天ぷらが皿の上に盛られている様子

収穫が少し遅れて、ふきのとうのつぼみが開いて花が咲いてしまった…。

「もう食べられないのかな?」と諦める必要はありません。


花が咲いたふきのとうも、もちろん食べられます!


つぼみの時よりも苦みや香りが強くなりますが、それもまた春の風味。

その個性を活かした定番料理で、最後まで美味しくいただきましょう。

ふきのとう料理の真髄は、その「苦みを消す」のではなく、「苦みと他の味を調和させる」ことにあります。

定番レシピ①:ふき味噌

ご飯のお供に最高の、春の保存食です。

味噌の塩気とコク、砂糖やみりんの甘みが、ふきのとうの苦みと絶妙に調和します。

  1. アク抜きしたふきのとうを、水気をしっかり絞ってから細かく刻む。
  2. フライパンにごま油などを熱し、刻んだふきのとうを炒める。
  3. 味噌、砂糖、みりん、酒などを加えて、弱火でじっくりと練り上げるように炒め合わせたら完成。

こだわりの味噌を使うと、さらに風味豊かなふき味噌が作れますよ。

定番レシピ②:天ぷら

ふきのとうの形と香りをダイレクトに楽しむなら、天ぷらが一番です。

油の熱と衣の旨みが、苦みを心地よい刺激へと変えてくれます。

  1. 洗ったふきのとうの根元に少し切り込みを入れ、外側の葉を花のように少し開く。
  2. 全体に薄く小麦粉(打ち粉)をまぶし、冷水で溶いた天ぷら粉の衣をさっとくぐらせる。
  3. 180℃に熱した油で、カラッと揚げる。

揚げたてに、ぱらりと塩を振っていただきましょう。

その他にも、おひたしやパスタの具材にするなど、アレンジは様々です。

ぜひ、ご家庭で春の香りを楽しんでみてください。

花が咲いちゃっても大丈夫なんですね!ふき味噌作ってみようっと!

ふきのとうを庭に植えてはいけない理由と安全な育て方まとめ

最後にこの記事の重要ポイントをまとめます。

  • ふきのとうは地下茎で広がり庭全体を占領しやすい
  • 一度地植えすると地下茎が再生し駆除が非常に困難
  • 断片化した地下茎からでも再生してしまう
  • 勝手に生えてきて庭の管理が大変になる
  • 地植えには防根シートなどの封じ込め対策が必要
  • 地下茎が他の植物の生育を妨げる可能性がある
  • フキの葉が広がりすぎると景観を損なう
  • ふきのとうにはピロリジジンアルカロイド類という天然毒がある
  • 有毒植物のハシリドコロと間違えて食べる危険がある
  • しっかりアク抜きすればふきのとうは安全に食べられる
  • ふきのとうはキク科植物でアレルギー症状を起こす場合がある
  • 加熱してもアレルゲンが残るため注意が必要
  • プランター栽培なら管理しやすく庭を荒らさない
  • 苗や地下茎は通販やホームセンターで手に入る
  • フキの花(ふきのとう)と葉柄(フキ)は別の器官である
  • 花が咲いてしまっても調理法次第で美味しく食べられる
  • 適切なアク抜きと調理で苦みも調整できる

ふきのとうは見た目に反して管理が難しく、地植えには注意が必要です。

強い繁殖力や毒性、アレルギーのリスクなどを正しく理解し、プランター栽培やアク抜きなど適切な対処をすれば、美味しく安全に楽しむことができます。


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